結核・感染症発生動向調査情報について

これは、県庁保健福祉部が平成30年9月13日に県政記者クラブに対し発表した提供資料の内容です。


栃木県において報告が多かった主な疾病(定点把握週報疾病)


  1. ヘルパンギーナは、前月に比べ報告数が0.74倍とかなり低い水準で推移しています。
    前年同期に比べると、報告数で1.72倍とかなり高い水準で推移しています。
    全国的には、過去5年間の同時期と比較して、ほぼ同様の水準で推移しています。
  2. 感染性胃腸炎は、前月に比べ報告数が0.82倍とやや低い水準で推移しています。
    前年同期に比べると、報告数で1.01倍とほぼ同様の水準で推移しています。
    全国的には、過去5年間の同時期と比較して、ほぼ同様の水準で推移しています。

疾病の予防解説

(1)風しんの解説です。

風しんは、感染症法に基づく五類感染症全数把握疾病です。また、学校保健安全法により、風しんは第2種の学校感染症となっており、原則、発しんが消失するまで出席停止となっています。 平成30(2018)年の県内における風しんの届出数は、9月2日現在1件であり、過去3年間の報告数(平成27(2015)年2件、平成28(2016)年1件、平成29(2017)年1件)と比較して同様の水準で推移しています。 一方で、現在、全国では例年と比較し風しんの届出数が大幅に増加しています。具体的には、全国では平成30(2018)年7月23日から8月26日までに首都圏を中心に200例以上の風しんの届出があり、多くは30歳代から50歳代の男性が占めていました。この時期は、多くの人の往来が見込まれることから、今後、全国的に感染が拡大する可能性があります。 30歳代から50歳代の男性においては、風しんの抗体価が低く感染しやすい人が2割程度存在していることが分かっています。また、抗体価の低い妊娠中の女性が風しんにかかると、出生児に先天性風しん症候群が起こる可能性があります。 30代から50代の男性及び妊婦の夫や同居家族、妊娠を希望する女性のうち、風しんにかかったことや風しんの予防接種を受けたことがない方、もしくは風しん抗体価が低い方については、任意で風しんの予防接種を受けることをご検討ください。 今後、県内でも流行する可能性もあることから、風しんの発生動向に注意するとともに、予防対策を心がけましょう。


疾病名 疾病の特徴や症状 予防対策
風しん 風しんウイルスの感染によって引き起こされる感染症で「三日はしか」と呼ばれることもあります。 感染経路は、くしゃみなどにより飛び散ったウイルスを吸い込んで感染する場合や、飛び散ったウイルスが付着したドアノブなどに触れて感染する場合などがあります。発しんの出現する前後約1週間が最も周囲に感染させやすいとされています。 潜伏期間は2〜3週間で、発熱、発しん、リンパ節腫脹などが主な症状です。多くの場合、赤く小さい発しんが顔や耳の後ろから始まり、全身へと広がります。発しんは3日前後で消失します。 以前は、子供に多く発生していましたが、近年では多くが成人男性での事例となっています。大人がかかると、発熱や発しんの期間が子供に比べて長く、関節痛がひどいことが多いとされています。 風しんの抗体を持たない方や抗体価が低い方(過去に風しんにかかったことがなく、ワクチン接種を受けたことのない方など風しんに対する免疫が不十分な方)は、発症するリスクが高くなります。 また抗体を持たない又は抗体価の低い妊娠20週頃までの妊婦が風しんウイルスに感染すると、胎児も風しんウイルスに感染し、難聴や心疾患、白内障や緑内障などの障害をもつ胎児が生まれる可能性があります(先天性風しん症候群)。 ・うがいや手洗い、マスク等の咳エチケットを心がけましょう。
・症状が現れたら、早めに医療機関を受診してください。風しんと診断された場合、周囲の人に感染させる可能性のある期間(発しん出現後では約5日間)は出勤や登校、外出を控えましょう。
・風しんには特異的な治療法がありませんが、予防接種により予防することが可能であり、あらかじめ接種を受けておくことが重要です。
・定期の予防接種の対象(第1期:生後12ヶ月〜24ヶ月、第2期:小学校入学前1年間)となっている方は必ず受けるようにしましょう。
・これから妊娠する可能性のある方やそのご家族等で、風しんにかかったことがなく予防接種を受けていない方は、予防接種についてかかりつけ医に相談することをお勧めします。(ただし、妊娠中又は妊娠の可能性がある場合には、予防接種を受けることは不適切であり、また、予防接種後2〜3ヶ月は妊娠を避ける必要があります。)
            参考)国立感染症研究所 ホームページ
                    厚生労働省 ホームページ

(2)結核の解説です。

結核は、感染症法に基づく二類感染症です。 昭和25年まで、死亡原因の1位となるほどまん延していた結核は、医療の進歩や生活水準の向上により急速に減少しましたが、昭和50年代半ばから減少が鈍化し始め、平成29(2017)年の新登録結核患者数は、全国で16,789人(罹患率*13.3)、本県では228人(罹患率*11.6)と現在でも多くの報告があります。 結核は、過去の病気ではなく、現在でも治療が遅れれば重症化し、時に命を落とすことがある病気です。2週間以上咳が続くときは早めに医療機関を受診しましょう。 9月24日(月)〜30日(日)は結核予防週間です。結核に対する理解を深め、予防及び早期発見に努めましょう。
*罹患率は、人口10万対率で表したもの。(全国は、人口推計(H29.10.1)による人口を用いた。また、栃木県は、栃木県毎月人口調査(H29.10.1)による人口を用いた。)


疾病名 疾病の特徴や症状 予防対策
結核 結核は、「結核菌」という細菌が、体の中に入ることによって起こる病気です。結核を発病し重症化した人が咳やくしゃみをしたとき、飛び散る飛沫(しぶき)と一緒にこの菌が空気中に放出され、その菌を吸いこむことによって感染します。結核菌を吸い込んで、体の免疫機能が体内に結核菌を閉じこめて活動させない状態を「感染」といい、免疫力・抵抗力が低下すると、結核菌が活動を始め、せきやたん、胸痛、呼吸困難などの症状が現れることがありますが、これを「発病」といいます。 発病した患者の約80%は肺結核ですが、結核菌が血流によって全身に運ばれ、骨関節や腎臓などの臓器に病変を引き起こすことがあります。特に乳幼児では粟粒結核や結核性髄膜炎など重篤な結核になりやすいのが特徴です。 激しいせきが長時間続いている患者、痰から多くの菌を排出している場合や免疫のない人と数多く接触している場合ほど、周囲への感染の危険性が高まります。 ・BCG接種:発病しないように免疫をつけるもので、生後1歳に至るまでの間が定期予防接種の接種期間となっており、乳幼児の粟粒結核や結核性髄膜炎など重篤な結核に対して最も発病予防効果が期待できます。BCG接種で身についた免疫力は、10〜15年の効果があると言われています。
・結核は誰でもかかる可能性がありますので、定期的に健康診断を受けましょう。結核の初期症状は、風邪とよく似ています。せきやたんが2週間以上続いたら、結核を疑って早めに医療機関を受診してください。早期発見することで、周りの人にうつす恐れも低くなります。
・治療は、6〜9ヶ月の間、複数の抗結核薬を組み合わせて服用します。症状がなくなっても、自己判断で服薬をやめると、薬に抵抗性を持った菌(耐性菌)が出現して治療が難しくなります。耐性菌の出現を防ぐためにも、医師の指示に従い服薬を継続することが大切です。
            参考)国立感染症研究所 ホームページ
                    厚生労働省 ホームページ
                    公益社団法人結核予防会 結核研究所 ホームページ

感染症流行の警報・注意報

平成30年8月(31週から35週:7月30日から9月2日)に県内で発生した警報および注意報はありませんでした。



関連データ

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